【研究note】上本俊平氏寄贈 旧笹川コレクションの一点について —中国彫刻をめぐるささやかな近代史—
大阪市立美術館が発行している定期刊行物「美をつくし」に、学芸員による研究ノートを掲載しています。これまでに掲載した内容をnoteでもご紹介していきます。
今回ご紹介するこれら二つの作品は大阪市立美術館蔵、中国南北朝時代・北魏の石造如来三尊像である。[上図]は山口謙四郎氏(1886-1957)の収集による山口コレクションの一点であり、背面に刻まれた銘文によって、その製作時期が今から1500年前の北魏・正始元年(504)とわかる基準的な作品である。一方[下図」は平成15年(2