【研究note】作品紹介 長宝寺「観経序分義図(かんぎょうじょぶんぎず)」 (観経会座仏(かんぎょうえざぶつ))
大阪市立美術館が発行している定期刊行物「美をつくし」に、学芸員による研究ノートを掲載しています。これまでに掲載した内容をnoteでもご紹介していきます。
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仏教絵画はわかりにくいと言われることがあるが、ひとつひとつ紐解けば難しいことはない。今回紹介するのは、大阪市平野区平野本町に所在する長宝寺に伝来した、釈迦の説法の様子を描く絵画である。箱書に「観経会座仏」と題される珍しい絵画である。
縦長の画面中央には荘厳された蓮華座に坐す金色身の釈迦、その向かって