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マロニヱ社さんのはなし

大阪市立美術館の地下展覧会室で長年(70年!)営業されていた画材店「マロニヱ社」さん。天王寺の美術館の中にある画材店というか、画材店が入っている美術館というのか、とにかくそれくらいキャラの濃い荒木敬さんのお店をご利用された方も多いのではないでしょうか。

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荒木さんで3代目になるマロニヱ社さんが、この3月末で閉店されることになりました。もともと美術館の大規模改修が予定されていることもあり、2022年3月末までは営業を続けられる予定だったのですが、新型コロナウイルス感染症の影響が収まらないこともあり、予定よりも1年前倒しでの閉店を決められました。


マロニヱ社さんといえば、以前発行された「OSAKA MUSEUMS vol.11」で桂南光師匠が寄稿された大阪市立美術館に関するエッセイでも紹介されるなど、天王寺の美術館とは斬っても切り離せない存在。ネットで物が買える時代になったとはいえ、荒木さんの人柄に魅了された多くの方々が「マロニヱさんで買う」「荒木さんから買う」と決めて、お店(登りづらい階段!)まで来て購入されたり、会話を楽しんだり(こちらの方が多かったかもしれません)される光景を数多く目にしてきました。



新型コロナウイルス感染症の影響で一年早まったとはいえ、大阪市立美術館の大規模改修がなかったら、とか、荒木さんがもう少し若ければ、とかタラレバをいえばキリがないのですが、3月31日まで残り数日。閉店セールもされているとのことですので、画材を買うついでに荒木さんとの会話を楽しまれてはいかがでしょうか。




最近、事業承継のことをアトツギという言葉で言い換えるようですが、大阪市立美術館で3代70年続いたマロニヱ社はこの3月末でいったんピリオドを打つカタチになります。ただ、荒木さんの場合は、そもそも荒木さんご自身がまだまだ絵画の世界で活動されるとのこと(堺市で額縁のレンタル業務を続けられるようです)。大阪市立美術館の中の画材店「マロニヱ社」は惜しまれつつ姿を消しますが、有限会社マロニヱ社は事業中止でも事業承継でもなく、事業継続。新たな門出を祝福したいと思います。


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まずは閉店セールへGO!
※本館での展覧会は開催していませんが地下展覧会室での展覧会は開催しております(月曜休館)

※2021.3.20付の読売新聞 大阪版でもご紹介されていました

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