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もしかしたら話のネタになるかもしれない大阪市立美術館のキホン

どうも大阪市立美術館です。
大阪市立美術館をひとりでも多くの方に知っていただきたいと考え、noteをスタートさせました。どんなスタンスで、どんな情報を発信させていくかについてはこちらにまとめていますので、ご興味あればどうぞ。


さて、今回は「大阪市立美術館」を知らない方も、そうでない方も、あまりご存知ないような、もしかしたら話のネタになるかもしれない情報をご紹介したいと思います。

<大阪市立美術館のキホン>


その前にまずは基本的な情報を。
https://www.osaka-art-museum.jp

大阪市立美術館は、市民が優れた美術文化に接する機会を提供し、生活に潤いをもたらすとともに、美術家の活動を助成し、広く大阪の文化振興に資することを目的として、昭和11年5月に開館しました。美術館は天王寺公園の中に位置していますが、その敷地は住友家の本邸があった所で、美術館の建設を目的に庭園(慶沢園)とともに大阪市に寄贈されたものです。美術館は設立当初の本館と、平成4年に美術館の正面地下に新設した地下展覧会室からなります。地上3階、地下2階からなり、本館陳列室では、特別展やコレクション展を開催しています。コレクション展では購入や寄贈によって集まった日本・中国の絵画・彫刻・工芸など8500件をこえる館蔵品と、社寺などから寄託された作品を随時陳列しています。これらの作品には国宝や重要文化財に指定された作品も多く含まれています。また地下展覧会室では、常時様々な美術団体が主催する展覧会を開催しています。本館地下には美術館に付設されている美術研究所があり、素描、絵画、彫塑の実技研究を行っています。

というのがウェブサイト(2020.9.22時点)でご紹介している、ごくごくざっくりとした紹介文になります。
ここでのポイントは3つ。

・昭和11年(1936年)開館と、日本でも古い類の美術館
・館蔵品や寄託品によるコレクション展や特別展に加えて、美術団体主催の公募展も開催
・公立美術館としては珍しく専門教育の場「美術研究所」を附設している

なんとなく歴史のありそうな美術館ということがイメージいただけるのではないでしょうか。


ではでは本題に移りたいと思います。


上でもご紹介したとおり80年以上の歴史を持つ大阪市立美術館ですが、あまり知られていないことが多々あるように感じます。そこで、今回はその中でも3つだけご紹介をしたいと思います。


<あまり知られていないこと①>日本で初めてフェルメール単独展を開催

フェルメールというと、「真珠の耳飾りの少女」(同じ作品ですが「青いターバンの少女」ともいわれていました)という作品の名を聞いたことがある方も多いと思います。実は、2000年に開催した「フェルメールとその時代」(大阪市立美術館/毎日新聞社/毎日放送)が日本で初めてのフェルメールの単独展でした。当時最多の5作品が展示され、日本におけるフェルメールブームを本格化させるきっかけとなった、といわれています。残念ながら公式ウェブサイトにアーカイブが残っていないので中途半端なご紹介になりますが、なぜ大阪で開催されたのか経緯についてはこちらの本に詳しく書かれています。

フェルメール最後の真実(文春文庫/秦新二、成田睦子)
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167911478


<あまり知られていないこと②>葛飾北斎の作品で初めて重要文化財に指定された作品を所蔵

1998年とかなり前の記事になりますが、アメリカの雑誌「LIFE」での企画「この1,000年で最も重要な功績を残した世界の100人」で、唯一日本から選出されたのが葛飾北斎でした。日本史の教科書でもおなじみですが、この葛飾北斎の作品で初めて重要文化財に指定されたのが 《潮干狩図》(1807-1810年頃)。実は、ご寄贈いただき大阪市立美術館の館蔵品として所蔵させていただいています。コレクション展などでご紹介できる日をお楽しみに。

国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/2687


<あまり知られていないこと③>1936年完成の建物(本館)は登録有形文化財

北斎の作品も含め、大阪市立美術館の館蔵品・寄託品に多くの国宝・重要文化財・重要美術品を有していますが、実は建物自体も国の登録有形文化財に指定されているのです。2015年に指定されたこともあり、まだまだ認知度は高くないのですが、戦前の大阪建築のひとつとしてレトロな雰囲気を醸し出しています。中之島公会堂や綿業会館といった大阪を代表する建築物!とまでは認識されていないのですが、近代建築にもご興味がある方はぜひ足を運んでいただければ幸いです。

ちなみに、大阪市立美術館のシンボルとしてinstagramでも多くアップしていただいている中央ホールのシャンデリアは実は1970年代の改修時に後付けされたものだったり…。


国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010658



<今回のまとめ>

以上、大阪市立美術館のあまり知られていないことをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

◆キホン
・昭和11年(1936年)開館と、日本でも古い類の美術館
・館蔵品や寄託品によるコレクション展や特別展に加えて、美術団体主催の公募展も開催
・公立美術館としては珍しく専門教育の場「美術研究所」を附設している

◆あまり知られていないこと
①日本で初めてフェルメール単独展を開催
②葛飾北斎の作品で初めて重要文化財に指定された作品を所蔵
③1936年完成の建物(本館)は登録有形文化財

ということで、ご興味を感じていただいたようでしたら、ぜひぜひ大阪市立美術館へ。皆様にお会いできることを楽しみにしています!




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#大阪市立美術館 展覧会のご案内
2020.9.5~2020.10.11


<特集展示>
没後50年 浪華の女性画家 島成園
https://www.osaka-art-museum.jp/def_evt/shima_seien

<コレクション展>
青緑い刻 −あおいとき−
https://www.osaka-art-museum.jp/def_evt/aoitoki
大阪の仏像
https://www.osaka-art-museum.jp/def_evt/osakabutuzo
中国の石造彫刻
https://www.osaka-art-museum.jp/def_evt/chokoku

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