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ずろくのみりょく

「展覧会に欠かせないものは?」と聞けば、いろいろなリアクションがあることと思いますが、「図録!」とお答えになる方も多いのではではないでしょうか。きわめて個人的な話ですが、阪神大震災の翌年に兵庫県立近代美術館(現・兵庫県立美術館)で行われた「アンディ・ウォーホル 1956-86:時代の鏡」を観にいったとき、展覧会があまりにも印象的で、思わず図録を買って帰ったことを覚えています。


基本的には、展覧会でご紹介した作品の精細な画像に加え、展覧会の趣旨や説明などが掲載されているため、展覧会の会場だけでなくご自宅のリビングでも展覧会を楽しめる、という仕立てになっています(もちろん学術的な用途もあるのですが)。


大阪市立美術館では、すべての展覧会で図録を発行しているわけではありませんが「特別展」とよぶ大型の展覧会については製作しています。現在、オンラインショップでは2000年代以降に開催された「北斎展」など特別展の図録を中心に、23種類の図録を取り扱っています。




大阪市立美術館のコレクション(館蔵品+寄託品)には日本や中国を中心とした東洋の古美術といわれるものが多いのですが、イタリアデザインをテーマにしたものや、プラド美術館の名品を紹介したもの、そしてオリンピックのポスターデザインをテーマにしたものも取り扱っています。



いちばん新しい図録は、昨年開催された「天平礼賛(てんぴょうらいさん)」。天平文化と天平文化にインスパイヤされた作品などを多く取り扱っていますが、注目はNHK「大河ドラマ/麒麟がくる」でも紹介された蘭奢待(らんじゃたい)。この蘭奢待の実物だけでなく、明治時代に作られた模刻品までもが掲載されています。残念ながら図録から香りはしないのですが、ビジュアルで十分に楽しめる内容となっています。


確かに展覧会では「作品そのものを目の前にした感動」を味わうことができるのですが、図録は「展覧会では気づかなかった細かい部分への発見」を体感できるもの、なのかもしれません。

新型コロナウイルス感染症拡大予防を目的とした2回目の緊急事態宣言で、出掛けたくても出かけらない状況が続いています。こんなときは展覧会図録を眺めながらアートな気分に浸ってみてはいかがでしょうか。


オンラインショップなので、図録の重たさも問題ないですね。

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